九代目当主・真心 その八
１１月 忘我流水道
イズムリズム＆摘菜さまの頑張りの結晶は町内会半年分以上…実際幾らなんだ町内会費。半年分まとめて払っても余る…でも一年分を賄えるほどではない…？いや、元々八九寺さんちは町内会費を半年払いする契約なのか？
こちらは心ちゃん＆識くんの指導の結果。
これはかなり上出来の範疇では。心ちゃんにとっては我が子ながら理想の肯定改め否定の象徴みたいな識くんだけれどな…訓練はちゃんとしてくれていたのか…それとも識くんが頑張ったのか…。
防具屋さん大売出しのお知らせ（２割引きでした）。
次いでこんなお知らせも。
あれ…投資してたっけ？（おーい）。
プレイの間隔が空いていた時期でもあったからなあ…案外ママの体調の事を心配した識くんがやったのかも。これから寒くなるからちょうど良いね。
そのママ心ちゃんの健康度は更に低下して６８に。うう、考えたくない…考えたくない…最短ヤメテ…。
「お願い、していた…薬…が、できた、ので…」
「薬…？薬…ええ、私…薬…を。飲まないと…。あれ、何で、飲まなきゃ、行けない…ん、だっけ？」
今更にこの“妄想”日記っていう趣味がじわじわ来るんだよな…。今までは勿論、これは“空想の産物”だっていう事を分かっていて、或いはいつか現実にする目標みたいな位置づけで想像の翼を広げてを楽しんでいた筈。それが精神が弱っている所に体まで弱り始めてしまった状況で、趣味の範疇で楽しんでいた“妄想”が、現実を侵食し始めたように思えてくるんだよな…。心ちゃんの記録、ここから虚実織り交ぜたものになってそうだよ…。
兎も角もお薬を…。
これで９３まで回復。
しかし…食事に混ぜちゃうんだ…これ薬を内緒で食べ物に混ぜて飲ませているとかじゃないよね？割にネーミングがまともな新薬＠味もそこそこまとも？っぽいから有りそうなんだけれど…。
元気になった所で幻灯も。うーん、心ちゃん、どういうテンションで写っているんだこれ？
案外当主襲名時と当主の健康度が下がったタイミングで幻灯を残しているっていう仕来りだけを覚えていて撮ったけれど、次の瞬間にはその事実そのものを忘れているとか、そんな状態になっているのかも…。下手すれば日記に“友兄さんと潤と写真を撮った”って書いているかもしれないな…。
さて此方はお子様達の習得術の確認。
出夢に関してはもう凄すぎて如何していいのやら。
此奴次で卑弥子も覚えるんじゃないか？
理澄も結構悪くない。押さえておきたい所はちゃんと押さえている印象。
出夢に対して変に羨んだりやっかんだりせず、素直に“ここ分からないから兄上教えて”って言っているんだろうな、きっと…。
実戦を経験した摘菜さま、かなり数多くの回復・補助系術を覚えてくれました。
ネギの大槌のボーナスがあったとはいえ、意外に火が伸びず水が伸びる印象です。
識くんはこんな感じ。
装飾品補正しているって分かっているんだけれど、断トツ高い心水…優しい子だねえ君は…。
今月の識くんの指導は摘菜さまにお願いします。
「では私が天ノ羽槌を全力で振り回しますのでそれを避ける訓練をしましょう」
「は、はい！頑張り、ます！」
「一寸待って摘菜さんそれ当り所が悪いと惨劇が起こる奴」
「人識くんが、百会シバキみたいに今の半分の大きさに…」
心ちゃん、イズムリズムは討伐へ。
これは身体面というよりは情緒面の方を心配しての言葉なのかもね…。
陣形はこんな感じで…。
心ちゃん、技力も何気に凄いんだよな…。
忘我流水道へ！
最強世代から殺人鬼世代への世代交代がプレイヤーの想定以上に早い為、少しでも戦勝点を稼いで次世代の成長を促したい。このメンバーなら真名姫も行ける筈…！
赤い火は無し。
戦勝点２倍有り難う！
刺して射ってからの…。
強っ…。
浅い所に居る河童とはいえ、誰の健康度が下がっているのコレ…。
出夢はまだまだ全能力が高めに推移しているのが頼もしい。理澄…技風頑張ろう。もう一寸、もう一寸だから…。
鬼の攻撃を華麗に回避したり…。
連続手番で鬼を粉砕する心ちゃん。いや本当に…健康度低下二段階目とか嘘でしょこれ。嘘だと言って欲しい…。
だけど、こんなに凄い年長者が間近にいるのにイズムリズムが心ちゃんに鏡を向ける進言を一切出してこないんだよね…。
何なんだろう。やっぱりメンタル的な不安定さが相手を写して自分の力に転化するという宝鏡や白鏡の術を使うのを躊躇わせているんだろうか。
討伐自体は順調に進み、イズムリズム何度目かの成長で…。
よし来た！連弾弓復活！
技風の息の根が止まりかけの理澄なのでヤキモキしていたけれどやってくれました…！連発できる奥義ではないけれど、次世代が本格的に指導したら頼らせてもらっちゃおう。
「やった…！ご先祖様の、技…！」
「理澄…頑張った…偉い…」
「あ、有り難う兄上！」
「お祝いに、水菜…食べる…沢山…ぼくの、分も…」
「いやそれは兄上が普通に食べていいんだからね？」
「優しい…」
なんやかんやでウキウキしている理澄。ここは押さえて押さえて…（なんて思っていたらうっかり奥義進言選んで攻撃させていました。スクショもなくてごめんな）。
炎ラスト１個で時登りの笛使います。心ちゃんが白骨城でぶんどってきた２本のうちの１本。
赤い火はラストに点灯。
併せの最中に眠らせないで…！
幸い理澄が避けてくれたので太刀風の併せ自体は発動！
鬼が術をかけたのが悪いんだけれど…うう、何だろうこの心ちゃんと子供達の噛み合わない感じ…。
若干ドタバタしつつも炎ラスト１個＠赤い火モードで人魚の瀑布へ！
「何も知らなくていい…分からなくていい…私はただ、今までと同じでいたい…変わらずにいたい…」
スロット薄っ…！（笑）
今回は早目に勝負を決めたい所だけれど、まずは基本の速鳥。
イズムリズムは土祭り水祭り。しかし本当に心ちゃんに鏡向けないなあ…。
真名姫来た…！
全員黄色にこそならないもののほぼ２確。怖え…！
体力満タンになってないと怖い。
また来た…！
とはいえ実はこの前に魂寄せで真名姫の技力を１１減らしているので真名姫（術）は打ち止め！反撃行きます！
皆でタコ殴り、何なら連弾弓使っちゃうよ！と、思っていたら連撃発動！
倒しちゃったし（笑）
いや、前段力士水も使ってたんだけれど…心ちゃん凄すぎじゃない？今月何度も思ったけれど、これ本当に寿命を迎えつつある子の動きなの？
ともあれ嬉しい氷刃の鉾。桃木の槍では少し力不足を感じていたので、これからはこっちを出夢のメインウエポンにしよう。
欲を言えば雨切り弓も欲しかったんだけれど、理澄は案外技水伸びないみたいだからな…うう、国士無双弓欲しかった…（まだ言っている）。
そして真名姫も開放です。
真名姫の解放時の台詞、何時もだったらどんなに状況が変わっても最後には黄川人と一緒にいるよっていう真名姫のメッセージみたいで好きなんだけれど、変わっていく事が嫌で壊れかけている今の心ちゃんのメンタルで聞かされるのって結構キツいかもなあ…。味方も敵も寄ってたかって精神攻撃仕掛けてきている。
「何で…？神様も、鬼も、皆変わっていこうとするの…？嫌だ…私は嫌だよ…同じが良いんだよ…」
これにて討伐期間終了。
うっかり一回連弾弓を使っちゃった理澄も黄色になっていますが（本当このプレイヤー）、うわーん、心ちゃんの健康度が真っ赤に…（涙）。だ、だけどこの位の下がりなら大丈夫…まだ大丈夫…と言い聞かせながらの帰還になります。
イツ花さん出迎え有り難う…！良かった…心ちゃん最短じゃなかった…。
１２月 紅蓮の祠
無事真名姫を開放した八九寺さんちです。本来であれば嬉しい気持ちになるんだけれど…。
心ちゃん…。
今月ラストか…ラストだよね…。
真名姫を一撃で粉砕するような子も、寿命には勝てないのか…はああ。
ため息つきながら摘菜さまの指導の結果の確認。
技はどれも二桁上がりしているし、これは上々の出来なのでは？心では火が一番上昇しているのがらしいな。
相翼院強化月間のお知らせを聞きつつ、人識くんもいよいよ実戦部隊へ。
「が、頑張ろう…僕…。沢山頑張って…そうすれば、きっと、御母上は…」
新たな術を覚えたのはイズムリズムに識くん。
本当に卑弥子覚えちゃったこの子。
山ほど食べて!水菜モリモリ食べて！
理澄は出夢を追いかけるように術を覚えていくなあ。仲良し兄弟。
更に理澄は先月奥義を復活させてくれました！
改めてこれは嬉しい。体の値の伸びがいいから、ボス戦でのダメージソースになれそう。
イメージとしては防御・補助を出夢が担当、攻撃を理澄が担当する感じになるのかな…？この双子完璧だな！（親馬鹿）
識くんは初陣の子に修得しておいて欲しい術をちゃんと覚えてくれました。
相翼院強化月間のお知らせを聞きつつ、心ちゃんには漢方を。
飲み方が先月と同じだな…。これ本当に内緒に食事に混ぜてこっそり提供してない？
で、今月。心ちゃんラスト月ですが…。
心ちゃんに摘菜さま、初陣の識くん。この編成で行こうと思います。
若手フルメンバーで行くとか、せめてもイズムリズムの片方を連れて行くのが戦力的には安定すると思うのですが、これも先月同様、子供達の成長を促したいので奉納点をなるべく多く配分させたい（今回は摘菜さまと識くん）。健康度が回復しきれていない心ちゃんも危ういかもしれないけれど、一回くらいママと一緒に討伐に行きたいじゃないか…。摘菜さまだって親世代と戦った経験ないし…。
とはいえ物語的な展開だと、心ちゃんが一人でふらりと出て行ってしまって、慌ててそれを探しに出かけた…何て状況なのかもな…。
「行かないと…私…」
「お、御母上！だけど、そんな…体の、具合…」
「討伐…行かないと…今までも、ずっと…そうやって…」
「だったら、僕も、一緒に…一緒に、行きま、す！」
「…私も行きます。心許ないかもしれませんが…」
行先は紅蓮の祠！
赤い火は無し。
とりあえず浅い所の鬼で様子見。心ちゃんの飛び蹴り！
強っ…。彼女の様子次第では奥まで行くのは無理だろうなって思っていたけれど…ほぼほぼ心配ないじゃないか…（勿論絶好調だった時は四桁ダメージだったから大分落ちてはいるんだけれど…）。
そして人識くんの初進言。
こんなに頼もしいママを間近に見ても鏡を向けないんだ…。
摘菜さまも同じく。
うーん、イズムリズムの時といい、ここまで誰も心ちゃんに鏡を向けないの何で？実は仕様だったりする？拳法家には鏡向けない仕様？
そうだったら救われる…気持ちにはならないか…心ちゃんと子世代とのすれ違いっぷりよ…。
識くんの成長。悪くないね。体水がやや低めなのは仕方がないかな。
…お前もしかして摘菜さまが好きなだけか？
この姿を見ていたら確かに憧れを抱くかもしれないけれど。
潤を彷彿とさせる、好きな人に一途なこの感じ…鷹比等の血筋は確実に受け継がれている（笑）
摘菜さま、識くん成長。
摘菜さまは成長ボーナス込みとはいえ技水の伸びが良いのかな。あと技土二桁上がり有り難え…。
心ちゃんも成長。うわーんまだ微量ながら体が上がっているの…。あと心がね…未だに土だけ二桁上昇するの…何だろうな…この子は壊れかけながらに、壊れかけているからこそ、自分の大切なものを絶対に抱え込んで離さないんだって、そんな風に思っちゃってね…。
天ノ羽槌、闇の光刃に持ち替えて攻撃！いいダメージ！
なんやかんやでやってきました、十二ノ宴！
象花火頂きます！
これまでの分大分端折りましたが、殴ったり潰したり斬ったりを繰り返し、識くん何度目かの成長で…。
やった！双光七花斬復活！
頑張った…！頑張ったねえ識くん…！
「凄いですね、人識さん」
「有り難う、御座います…！あ、お、御母上…あ、あの…」
「…奥義…？」
「そ、そう…です！」
「奥義、は…皆、覚えて…覚えている、から…大丈夫…大丈夫…。行こう、大丈夫だよ…私達は、きっと、出来る…」
「………」
やっぱり摘菜さまに鏡向けちゃう識くん。
でも折角だから双光斬使いなよ！スクショのタイミング合わせられなかったけれど！（ごめんな）
あ、あれ？摘菜さまの体土と識くんの技土はここで打ち止め…？（汗）
ここで討伐期間ギリギリになったので時登りの笛！白骨城でぶんどってきたものの２本目。
後半に赤い火！戦勝点稼ぎは勿論だけれど、「扇の指南」を狙いたいな…。
宝物庫からは大したものは手に入らなかったので（メモすら残ってない）、摘菜さま識くんの成長を眺めます。
摘菜さまのこの早々に防御捨てている成長…この家系らしいっちゃらしいんだけれどね…。識くんは技風まだ行けそうかな？技火とかもこのまま伸びて欲しいなあ。ここイズムリズムが苦手な分野だし…。
こちら遠慮がちに象花火を焼く識くん。
此処からは赤い火タイム…だったのですが…。
入手出来たの、「男気貫徹槍」と「雷落とし」くらいで…。そもそも「扇の指南」編成に当たりませんでした…。
そうこうしている内に今度こそ討伐期間も終了していしまい…。
最後だ…。正直言って何の戦果も無かった。髪狩りにまで上り詰めた当主の、余りにも寂しい最後。それでも、これが、最後だ…。
「御母上？だ、大丈夫…御母上？！」
次の当主は最年少者である識くんへ。
これは以前の心ちゃんの事を言っているのかな…。
昔は末っ子気質の懐っこさでイツ花さんの周りをちょろちょろしていたのかもしれない。
九世代目の末っ子、九代目八九寺真宵、心ちゃんこと真心。
鋼矢・鵬喜ちゃん同時戦死で動揺したすみか（とプレイヤーが）氏神様に助けを求めた結果生まれた子です。
その氏神・破戒神八九寺様こと鷹比等は奉納点・神格的には友くんや潤の親神様より控え目、何より防御面が致命的。勢いで子作りしちゃった後（表現）、え、これ如何なるの…と気を揉みましたが、やって来てみれば鷹比等の戦闘センス、すみかの身体能力という両方のいい所を受け継いで表出させるという奇跡を起こしてくれました。
結果として最強世代唯一親の素質を抜いた子になり、胡蝶の手袋と高い技風は相性抜群。面白いように鬼をぶちのめしてくれました。飛天脚は勿論、金剛変を編み出してくれたのは嬉しかったなあ…。
攻撃して良し守って良し、補助回復は苦手ながら（この子奥義編み出すのにくららが長い事使えなかったんだぜ…）、この世代が快進撃を続け、髪狩りにまで着手できたのには心ちゃんがいたからこそ、だと思います。
生まれた経緯こそ前世代の泥沼が引き金ではありましたが、彼女自身は状況がある程度落ち着いてからの来訪だった為、そのマイナス部分をほとんど経験していません。むしろ魔法少女達から最強世代へ移行する後半部分。皆で強くなってボスを撃破し続けた、いい部分だけを享受できた印象があります。なにより彼女は母親であるすみかと長く一緒に居られたし、当主になってからも友くんという甘えさせてくれる保護者が傍にいた。
友くんが早くから長男として自分を奮い立たせなければ生きていけなかったのとは逆に、ずっと末っ子甘えっ子でいられる環境にありました。
自分の思うがままに拳を振るい続けられた。そして何だかんだと友くんも潤も付いて来てくれた。
言葉を尽くす必要もなく一緒にいてくれる優しい家族と共に歩める状況は、心ちゃんにとって凄く居心地が良かったんだろうなと思います。
精神的な安定が討伐にも影響してくるのか、この子の強運も何気に凄かった。お夏にしろ皇子にしろ状態異常系の攻撃を一切してこなかったし（結果としてかなり楽に勝てた）、要所で発揮される連撃はボスですら粉砕するレベル。
大ボスの撃破を続け、更には髪狩りも成し遂げ、絶好調だった心ちゃん。
三ツ髪戦で一度落とされた友くんが、結局健康度を回復しきれないまま亡くなった辺りから歯車が狂っていきます。
発言した子によって印象が大きく変わる遺言ですが、友くんにこれを言われた時には、今までずっと辛かった苦しかったって事を吐き出したんだろうなと思いました（実際友くんって状況に振り回されていたから…）。
これまで微塵も見せなかった友くんの本音。これが心ちゃんには今までの在り方を否定されているように響いた。何で？友兄さん私達と一緒にいるのが嫌だったの？って考えてしまった。ずっと一緒に居たかったのに、それが楽しくて幸せだったのに、と、思わず氏神になっている彼の所に殴り込み…もとい交神の儀の相手に選ぶくらい動揺した。
多分その時も安心するどころか不安が増大したんだろうな。相変わらず優しいように見えるけれど、どこかで余所余所しかったのかもしれない。
更に追い打ちをかけるように潤が戦死してしまいます。
この子がもう少し生きていられれば…二人で友くんの話が出来いれば、きっと心ちゃんも落ち着きを取り戻せたと思う。だけど潤は唐突に、自分の気持ちを彼女にほとんど伝えられずいなくなってしまった。結果として、変わりたくないという願いとは真逆の、変化を受け入れた最後だけが、心ちゃんにとっての否定だけが、残されてしまった。
それでもこの段階ではまだ縋るものがありました。
それは自分と“大好きな友兄さん”の間に生まれる子供の存在。その子からきっと、話が聞ける。優しい友兄さんと、彼の傍にいるに違いない潤の事が聞ける。そんな風に期待していた。
ところが信じて待っていた我が子は友くんではなくすみかに面倒を見てもらっていて（特徴がすみかと同じ）、そもそも父親に会った事がない、潤の事もよく知らないと、またしても否定される訳です。
そこにトドメを刺すかのように、このタイミングで健康度まで低下を始めてしまいます。
駄目押しに駄目押しを重ねたような状況になって、しかも趣味が“妄想”日記となればね…。趣味が趣味じゃなくなる、空想と割り切った楽しみは出来ず、空虚な想像が現実を侵食していったんだろうな…と。
体が弱ってもその辺の鬼には負けない心ちゃん。鬼を倒す鋭い拳を見ても…子供達が鏡を向けないんだよね。
これって自分だけの理想の世界、友くんや潤と一緒にいた頃に彼女が拘泥する余り、本当にそこにいる家族と全く噛み合っていないからなんじゃないかと思いました。
結果として最晩年の彼女、真名姫こそ粉砕したけれど、扇の指南編成の鬼に結局当たらなかかったりとか…。後世へ、なんて意識が全く感じられなくてさ…。ただそこに鬼がいるから殴る、蹴る。傍らで戦っているのは誰？友兄さん。潤。だって私はずっと二人と一緒にいるんだもん。ずっと、ずっと…。
だからこれなあ…この遺言なあ…（溜息）。
これ、きっと餅と白雪祭りの事なんだと思いました。
当主になってすぐの頃に友くんと潤と、三人で楽しんだお祭り。確かに冬、今の季節のお祭りなんだけれど、一ヶ月後…一ヶ月後なんだよ、餅と白雪祭りが開催されるのは…。
だから、これを聞いた瞬間、もう心ちゃんにとっての現実は、友くんと潤がいた時間軸の中でしか存在しなくなっちゃったんだと思ってしまいました。
あっ…。
心ちゃんには来たか、氏神…。
正直この“守護星”っていうネーミングセンスは心ちゃんっぽい。
きっと当主継承して少ししてからの、友くんや潤とノリノリで討伐していた頃に、“こんな風になったら私は格好いい！”程度の思い入れでいくつか考えていて、それを天界が採用したとか、そんな感じなのかな。
ずっと変わらないでいたいと願った心ちゃんにとって、神になって永遠を…は、悪くないのかな、と一瞬思いました。
だけど、心ちゃんにとっての“変わりたくない”は優しい友兄さんと、何だかんだと気が合う仲間だった潤が居てこそ。そのどちらも欠けている中で、天界に行きたいかなあ…。パパママが居るとはいえ、引きこもっている優しさの欠片ゼロの大権現様と、そもそも潤が居ない現実を目の当たりにする天界ライフ…いや、無いな。無いだろうな。
更に言えば、現実と妄想が混同した状況の心ちゃんにとって、自分が死んだ後の判断はずっと保留されたままだったんじゃないかって気がします。
「あのォ…実は…」
「そう、ですか…。そう、ですよ、ね…御母上、は、今が…ずっと、辛かった、から…」
結論：心ちゃんは氏神にならない／氏神にしない。
この決断は、識くんが下したものなのかな、と。
目の前にいた自分がガン無視されている事を、自ら認める形になってしまうけれど。それでもやっぱり幸せだった頃の記憶だけを抱えて眠らせてやって欲しいって、願ったのかもしれないな、と思いました。
私達はずっと一緒なんだよ。ずっと、ずっと…。ずっとだよ…。
（幸せな夢の中で、如何か、安らかに）
←九代目当主・真心その七へ 十代目当主・人識その一へ→